① 導入の決め手 -----------
外国人技能実習生の日本語能力試験の合格率が低かったのがきっかけです。課題は明らかで、語学習得のためのサポートが何もなく、いろいろ探していたところLTWに行きついた次第です。
メリットは管理システムがあるという点。これまでは実習生が無料アプリ等で自分で勉強していましたが、それだと支援のしようがないというのがありました。
それが管理システムがあることで、個々の実習生の学習状況を把握できるようになるため、進捗がはかどらない実習生にこちらからアプローチをかけることができる。これが大きいと思いました。
② 導入に当たって法人内のコンセンサス --------
一言でいえば「改革」。それも「慈恵会を改革する」。
国際化という言葉のイメージは大谷翔平のような「世界で通用する日本人」というのが根強く、外国で活躍できる人材の育成なんかが教育現場でも一般化されていましたがそんなもんは 20世紀のイメージでしかありません。実際のところは日本が「国際化」している。日本に外国人がたくさん来て、生活している時代です。それも 20年以上前からです。
ところが、介護現場ではいまだに 20世紀感覚。実習生をめぐる介護経営陣の「彼らはお金を稼いだらすぐに帰っていく」、「ベトナム人という民族に義理人情の美徳はない、気に入らないとすぐ他の法人に逃げる」、「足りないところを人手でしかない」、そして「技能実習生は出来るだけ使わない、日本人だけで回していくのが理想だ」という感覚は根強いです。老施協の機関紙ではいかに彼らをコントロールするか、いかに技能実習生に頼らない経営をしていくかということに「成功」した法人の記事が掲載されています。
私ども愛知慈恵会も 30年以上運営しており、業界では老舗といえる法人です。正直申し上げて、実習生を雇用しだしたのも遅く、人手がないから仕方なくという感覚でした。
案の定、退職する (他法人へ移籍 )実習生も出てくるし、①でいったように合格しない。日本で数年働いて金を稼いで帰国すりゃいいやということに振れてしまっています。
これを実習生の資質や性格・民族性のせいにするのか、自分たちの姿勢と考えるかでとらえ方が全然違う。前者だと慈恵会と実習生の間には「金 -労働」という関係しか生まれない。いわゆる 20世紀の感覚です。
そうではなく、我々が変わる。我も人、彼も人です。かれらもまた我々と同じ介護にかかわる仲間であり、しかし我々と遠い異国で不安を抱えている人たちだという発想がありませんでした。
彼らが一番困っている言葉の問題、資格の問題に我々がいっしょになって向き合うことで、金―労働ではない人間同士の関係性が生まれます。そうやって支えたところで、結局国に帰るだろうし、もしかしたら払いのいい他の法人に移籍するかもしれない。でもそれでいい。「金―労働」の関係だと彼らにも我々にも何も残らないが、人間同士の関係だと両者にかならず残るものがある。その残るものこそ私たちにとって大きな宝になる。 LTWをそのきっかけにしたい。実習生に対してそういう意識で向き合えたなら、日本人同士の関係性にも変化が生まれるでしょう (介護職の離職原因のトップは人間関係 )。
それに、高齢者介護の仕事というのはどこまで高齢者に尽くしてもとどのつまり別れるしかない仕事です。でも、その最後の時間を充足したものにできるかどうかは介護者にかかります。 LTWを通して改革がすすんで、「人間同士の関係」でご利用者様と密接に向き合うことが出来ていくようになると、肝心のサービスの質も絶対に上がっていく。そこを目指しています。
国際化という言葉のイメージは大谷翔平のような「世界で通用する日本人」というのが根強く、外国で活躍できる人材の育成なんかが教育現場でも一般化されていましたがそんなもんは 20世紀のイメージでしかありません。実際のところは日本が「国際化」している。日本に外国人がたくさん来て、生活している時代です。それも 20年以上前からです。
ところが、介護現場ではいまだに 20世紀感覚。実習生をめぐる介護経営陣の「彼らはお金を稼いだらすぐに帰っていく」、「ベトナム人という民族に義理人情の美徳はない、気に入らないとすぐ他の法人に逃げる」、「足りないところを人手でしかない」、そして「技能実習生は出来るだけ使わない、日本人だけで回していくのが理想だ」という感覚は根強いです。老施協の機関紙ではいかに彼らをコントロールするか、いかに技能実習生に頼らない経営をしていくかということに「成功」した法人の記事が掲載されています。
私ども愛知慈恵会も 30年以上運営しており、業界では老舗といえる法人です。正直申し上げて、実習生を雇用しだしたのも遅く、人手がないから仕方なくという感覚でした。
案の定、退職する (他法人へ移籍 )実習生も出てくるし、①でいったように合格しない。日本で数年働いて金を稼いで帰国すりゃいいやということに振れてしまっています。
これを実習生の資質や性格・民族性のせいにするのか、自分たちの姿勢と考えるかでとらえ方が全然違う。前者だと慈恵会と実習生の間には「金 -労働」という関係しか生まれない。いわゆる 20世紀の感覚です。
そうではなく、我々が変わる。我も人、彼も人です。かれらもまた我々と同じ介護にかかわる仲間であり、しかし我々と遠い異国で不安を抱えている人たちだという発想がありませんでした。
彼らが一番困っている言葉の問題、資格の問題に我々がいっしょになって向き合うことで、金―労働ではない人間同士の関係性が生まれます。そうやって支えたところで、結局国に帰るだろうし、もしかしたら払いのいい他の法人に移籍するかもしれない。でもそれでいい。「金―労働」の関係だと彼らにも我々にも何も残らないが、人間同士の関係だと両者にかならず残るものがある。その残るものこそ私たちにとって大きな宝になる。 LTWをそのきっかけにしたい。実習生に対してそういう意識で向き合えたなら、日本人同士の関係性にも変化が生まれるでしょう (介護職の離職原因のトップは人間関係 )。
それに、高齢者介護の仕事というのはどこまで高齢者に尽くしてもとどのつまり別れるしかない仕事です。でも、その最後の時間を充足したものにできるかどうかは介護者にかかります。 LTWを通して改革がすすんで、「人間同士の関係」でご利用者様と密接に向き合うことが出来ていくようになると、肝心のサービスの質も絶対に上がっていく。そこを目指しています。
③ 具体的な取り組み ---------
のではなく、「何か困っていることがあるのではないか」「何か悩んでいるのでは」と考えて、日本語学習を通して彼らの日本での就労生活を支えていくというイメージです。
語学教育の専門家はいないので、言葉を教えるというよりは、同僚が支えていくという感覚です。ですから、先生というよりはチューターという言い方にして、同じ場所で同じように働く日本人スタッフが活躍する。これを施設長や私といった上長が「指導」「監督」するという形にはしないようにする。そのイメージが添付したワードの資料にあります。スタートの段階ではとにかく量を重視。添付したエクセルシートのような一日ごとの積み重ねを可視化できるようにします。一カ月くらいで差が出てきています。 LTWをふまえながらとにかく実習生と話をすることで、彼らの時間の使い方や仕事における疲労などを聞いていく。今はこの段階です。まだ始めたばかりで他の事業所では全然取り組んでいない実習生もいます。それは管理アカウントでわかるので、担当チューター、事業所施設長に私が話をする。
はっきりいってまだまだ全然です。なごみでやっているような流れに全体がなるには 3カ月は最低かかるでしょう。
④ 期待される効果 ----------
これについては②で書いた通りです。実習生の日本語能力がLTWだけで伸びるとは考えていません。完璧なメソッドがあればみんな東大に合格できます。実習生のモチベーションや日本人スタッフの関わり方が変化することを期待しています。具体的な指標としては日本語能力試験の合格率のアップと離職率の低下です。LTWがあるから他の法人から移籍してきましたというのは最大の成果だと考えています。